今まで自宅でビールを作るのに麦汁をシロップ状にした液体のビールの素となるモルト缶を購入して作っていましたが、粉末状のドライモルトを使ってビールを作ってみました。私が今回作ったレシピと作り方を紹介します。
日本国内ではアルコール度数1%以上のビールを作ることは法律で禁じられています。
本記事を参考として日本国内で自家醸造される場合はアルコール度数が1%以下となるように調整してください。
LME、DMEとは
LME (Liquid Malt Extract)
リキッドモルトエクストラクトの略で、日本語に直訳すると液体抽出モルトです。
ビールは大麦(Grain)を発芽させた麦芽(Malt)を煮込んで糖分とデンプン質を抽出、ろ過した麦汁(Wort)から作られますが、その麦汁の水分を20%程度まで落とし、凝縮させたシロップがLMEです。
大麦から麦汁を作るには多くの工程と時間がかかりますが、LMEを使うことでその工程を省いてビールを作ることができます。
ビールの原材料は麦と苦みと香り付けするホップですが、ホップが添加済みのLMEも買うことができます。
LMEを使ったビールの作り方はこちらの記事で紹介しています。
DME (Dry Malt Extract)
ドライモルトエクストラクト略で、上述した液体のLMEに対して水分を2%程度まで乾燥させた粉末状のビールの素になります。
LMEより長期間の保存ができます。吸湿性が高く、水分を含むと粉が水あめのようにベタベタになるので保管時は冷暗所に保管し、密閉した袋の中で袋に穴が空かないように注意してください。
ドライモルトでビールの仕込み
レシピ
ドライモルトは100g当たり1Lの水を使って約1Lビールが作れます。
今回使った写真のドライモルトはWheatと呼ばれる小麦から作る白ビールの素です。
2週間に一回約9.5Lのビールを仕込んでいますが、若干ドライモルトが足りないので粉砕済みのモルトを追加してみました。
ちなみに過去の経験からドライモルトが薄いと微妙かもしれませんが、この2倍くらい濃いめで砂糖無しにするとか結構分量は適当でもビールは作れちゃいます。
ドライモルトとホップだけ、ドライモルトとリキッドモルトを混ぜたり、今回のように粉砕モルトを追加してみたりレシピは多種多様です。
鍋に水を入れてお湯を沸かす
寸胴に水道水を入れてお湯を沸かします。
水質が良くない地域に住んでいる場合は浄水器を使うか、水を買ってきた方がいいかもしれません。
我が家の水道水は調べてみたところオンタリオ湖の水で水質良好だったので普通に水道水を使っています。
ビール醸造が盛んなアメリカだと、市町村から出ている水質レポートに対して水に薬剤を入れてpH値を調整しているみたいです。アメリカは水質悪そうですしね。。。
60℃~70℃のお湯に粉砕モルトを入れる
この作業は英語でマッシング(Mashing)と言います。
粉砕モルトをネットに入れてお湯に入れることで糖分とデンプン質を溶かし出します。
粉砕モルトをたくさん使ってMashingだけでビールを作ることをAll grain brewingと呼ばれています。
All grain brewing する場合はお湯の温度が非常に重要で、温度管理に失敗するとしっかり発酵できず水っぽいビールになってしまいます。
LMEやDMEを使うより安上がりな分、工程や道具も増えてゴミが多く出るので私はやっていません。
今回は風味少し加えるつもりで少し入れてみました。
15分から20分程度、Mashingしたらネットを取り出します。
ドライモルト追加
ドライモルトを入れ、混ぜ合わせます。
コーンシュガー追加
同様にコーンシュガーを加え、混ぜ合わせます。
グラニュー糖も使えますが、完成後の味があまり良くなかったです。
サトウキビから作ったケーンシュガー若しくはコーンシュガーを使うことをお勧めします。
ホップ追加
ホップを乾燥させてタブレット状にしたホップペレットを使っています。
ホップそのままの物でも使えますが、保存期間が長いホップペレットが便利です。
そのまま混ぜ込んで発酵させると苦みが強くなるので発酵前に取り出せるようにお茶パックに入れて追加します。
ホップを入れてから沸騰するまで寸胴を火にかける。
沸騰したら火を止めて寸胴のまま蓋を閉め、一晩置いて冷まします。
氷水に寸胴を入れたり、液体をコイルに通して冷やす方法もありますが、特に強制的に冷やすことはしていません。
発酵容器に移し、ドライイーストを入れて2週間発酵
液体の温度が21℃~27℃まで下がったら、発酵容器に移し、ドライイーストを入れて日の当たらないところで2週間、発酵させます。
ドライイーストはパン作り用の物でも使用可能です。
イーストを入れてから12時間後~翌日くらいにブクブク泡が立ってくるので、容器を振って少し混ぜてあげると酸素が加わって発酵が促進されるので一度混ぜました。
2週間後 発酵完了
2週間経過して発酵完了しました。
若干取り切れなかったホップのゴミが浮いてますが問題なしです。
気になる場合はコーヒーフィルター等でろ過できます。
発酵容器からKEG(生樽)へサイフォンでビールを移します。
この際、発酵容器は振らないように注意して、容器の底に沈殿した酵母が入らないよう底の方のビールは捨てるようにします。
ビールに炭酸を添加して完成!
ビールを入れた樽を冷蔵庫で一晩冷やします。
ビールが冷えたら樽に炭酸ガスボンベを繋いで樽を振ることで炭酸を添加しました。
樽と炭酸ガスボンベが無い場合は砂糖を追加してビール瓶に入れて2次発酵させることで炭酸を作り出すことができます。