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自宅で手作り!DIY自家製クラフトビールの作り方

自家製ビール造り 道具類 自家製ビール・ワイン

大手の飲料メーカー、キリン・アサヒ・サッポロ等が作っているビールに対して、小規模な醸造所で作られるビールを「クラフトビール」若しくは「地ビール」と呼ばれています。日本では個人がお酒の醸造をすることは法律で禁じられていますが、カナダでは販売しなければ合法で趣味でワインやビールを作る人も多く、醸造用品専門のショップがあるくらいです。
ビールは毎日飲んでいて、コロナ禍のロックダウン中にビールを買いに行くのが面倒臭い、外出する楽しみも無いので自宅で簡単にできる自家製クラフトビール造りに挑戦してみました。


日本国内ではアルコール度数1%以上のビールを作ることは法律で禁じられています。
本記事を参考として日本国内で自家醸造される場合はアルコール度数が1%以下となるように調整してください。




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準備するもの

材料

ビールの原材料は水と麦芽、ホップ、酵母ですが今回は麦芽とホップが調合済みで初心者でも簡単にビールが作れるモルトエクストラクターを使いました。

モルトエクストラクター(モルト缶、キット缶)

COOPERS CANADIAN BLONDE BREWING EXTRACT
COOPERS CANADIAN BLONDE BREWING EXTRACT

今回購入したのがこちら。
1缶で23Lのビールが作れます。

通常、ビールは麦芽から麦汁を作りホップを添加しますがそのためにはものすごく大きな鍋でお湯を沸かして煮込む必要があります。モルトエクストラクターは麦汁とホップがシロップなったものでたくさんのお湯を沸かさなくてもビールが作れるので便利です。





ドライイースト(酵母)

ドライイースト

イーストはモルトエクストラクターの缶に7gのドライイーストが付属していました。
パン作りに使うイーストと一緒ですので代用可能です。





砂糖

COOPERS BREW ENHANCER2
COOPERS BREW ENHANCER2

カーボネーションドロップ Carbonation Drops
Carbonation Drops

モルト缶の説明に1次発酵に専用の砂糖、2次発酵にカーボネーションドロップを使うようにと書かれていました。念のため写真の2つを購入。
専用品ですが中身はコーンシュガーと飴です。
グラニュー糖やブラウンシュガー等でも作れるので比較用に数種類作ってみたいと思います。





お水

primo water

北米だとウォルマートでPrimoというブランドの水が大きなタンクで売っています。
使い終わったタンクは店の外にある返却用のBOXに入れて返すシステムです。
日本だとクリクラが有名ですかね。ウォーターサーバー用の水です。
5 Gallon (18.9L)を5ドルくらいで購入しました。
足りない分は水道水で賄います。水道水を使う場合は煮沸しないと発酵が上手くいかないかもしれません。

ホップ

モルト缶に既にホップは添加されていますが、別途追加することで香りが非常に良くなります。





道具


鍋、ヤカン、ポット

お湯を沸かすのに使用します。





寸胴、バケツ、ペール缶など

水またはお湯と材料を混ぜるのに使います。私はこのために寸胴を購入しました。
全量23Lを作る場合は半分ずつでも混ぜられるように考える必要があります。
専用のキットにはプラスチックのペール缶が付属しています。





スプーン、混ぜ棒

私は寸胴の中を混ぜるために大きなスプーンを購入。





発酵槽

ビールの1次発酵に使用します。密閉できる水タンク等で問題ありません。
私は水を買ってきたときに入っていた5ガロンのボトルと足りない分を4Lの水タンクを使いました。





エアロック、ゴムキャップ

ビールの1次発酵中に発酵槽に取り付けて使用します。






温度計

100円ショップのキッチン用温度計を使用。
非接触式だと便利かもしれません。





霧吹き、消毒液

消毒液 霧吹き

道具の消毒用に薬局で売っている消毒液を使いました。





ビール瓶、炭酸用ペットボトル等

ビール瓶は24本を購入。残りは飲み終わったビール瓶や炭酸ペットボトルを集めました。





打栓器、王冠

ビール瓶を使いたかったので中古の打栓器を購入。
王冠は再利用できないので新品を買う必要があります。

【オンネネ】王冠(金) ビール 瓶 蓋 (250個)
Onnene





キッチンはかり

材料の分量を量るのに使います。





シリコンホース、オートサイフォン

寸胴から発酵槽、発酵槽からボトルへ移すのに使います。





じょうご

詰め替え等にあれば便利です。





比重計、糖度計等

発酵の度合い、おおよそのアルコール度数を確認できます。
無くてもOK。








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モルトエクストラクターを使ってビールを仕込む

動画は私が買ったCoopersの醸造キットを使ったビールの作り方です。
今回、道具はキットのものを使用せず、自分なりに調べて作ってみました。




器具の洗浄・消毒

使用する器具は全て洗って、消毒液をスプレーしました。
酵母以外の菌が入ってしまうと上手く発酵できず失敗してしまうので念入りに、消毒液をスプレーした後は特にすすぎはしていません。
すすぎしないと若干、消毒液の匂いがする気がしたのですすぎするようにしました。




鍋にお湯を沸かして、材料を溶かし入れる

砂糖 アルコール度数
砂糖を入れる
モルトエクストラクター
モルト缶 投入






鍋にお湯を2~4L沸かして砂糖・モルトエクストラクターを入れます。

ここで入れる砂糖の量でアルコール度数が変わり、写真のように砂糖を入れれば入れるほどアルコール度数も増えます。






鍋に砂糖投入!







モルト缶の中身は水あめ状なので空ける前にお湯につけて温めておきます。








鍋に缶の中身を投入!



砂糖とモルトエクストラクターが十分に溶けたら火を止めて冷まします。(これ重要)
鍋ごと氷水に浸けて冷ましてもいいかもしれません。




鍋に水をトータル20Lになるまで追加

鍋に水を追加する

サイフォンの原理で水タンクから1Lずつ量りながらトータル20Lになるまで鍋に水を追加しました。
作り方の説明に20Lと書いてあったのでキッチリ量りましたが、最終的に23LであればおおよそでOKです。


鍋から発酵槽へ移して温度調整

鍋から発酵器へ移す
温度測定





再度、オートサイフォンを使って鍋から発酵槽(水タンク)へ移します。

移した後、お湯又は水をトータル23Lまで追加して21℃~27℃の範囲に温度調整します。







酵母は温度55℃が15分続くと死滅、10℃以下では活動が低下してしまうので温度管理が非常に重要です。

ここで私が失敗したのが、鍋の火を止めた後に十分に冷まさなかったので、ボトルごと氷水に入れたりして冷めるまでに時間がかかりました。

ドライイーストを添加、エアロックを取り付け一次発酵

エアロック取り付け 一次発酵

発酵槽内の温度調整ができたらドライイーストを入れて、エアロックを取り付けて一次発酵します。
エアロックには水道水を半分くらい入れて使いました。

写真右の小さいタンクの方は、大きいタンクが18.9Lなので余りの約4Lのビールを専用の砂糖ではなく、グラニュー糖を使い砂糖の種類で味がどう変わるのか試してみたくて作っています。

1次発酵は18℃~32℃の温度で泡がなくなるまで暗い場所に保管しておおよそ4日~14日程度。説明には21℃~27℃がおすすめと書かれていました。温度が高ければ発酵が早く終わり、低ければ遅くなります。

発酵1日目
発酵2日目
発酵3日目
発酵7日目


発酵1日目

酵母を入れてから3時間後
少しずつ泡が出てきました。








発酵2日目

ブシュ、ブシュッーと音と泡を出しながら発酵が進んでいます。
パン生地を発酵させたときと同じ、酵母の匂いがしてきました。


発酵3日目

2日目より少し活発性がなくなってきた感じ。



発酵7日目

だんだんと透き通った色になってきました。







発酵17日目

仕事が忙しく、少し長く置いてしましましたが、完全に透き通ったビールの色になりました。



酵母を入れて発酵し始めた翌日頃に、容器を一度振ってあげると酸素が入るので酵母が活発になり効率が良くなります。
美味しいビールを作るためにはOxygenation(オキシジェネーション)と言って発酵容器内に酸素ボンベに繋いだホースを入れて、熱帯魚の水槽みたいにブクブク発酵中に酸素を少しずつ送るやり方もあるようです。




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1次発酵完了の見分け方

アルコール度数

測定器具を使用するまたは、味や見た目で判断します。
アルコール度数で判断する場合、私が買ったモルト缶は23Lに対して1KGの砂糖を入れるとおおよそ4.5%になります。


比重測定して1次発酵完了を見分ける

比重計で発酵前、発酵後の比重を測定して添加した砂糖に対して目標のアルコール度数になっているか計算する。



以下フォームを作ってみましたので測定値を入力するとおおよそのアルコール度数が計算できます。



発酵前比重(OG)   発酵後比重(FG)

推定アルコール度数(ABV)=

計算式 
アルコール度数% = 132.715(発酵前比重 - 発酵後比重)

正確には温度によって比重が変わってきますが加味しておりませんのでおおよその値になります。


屈折計を使用した糖度測定で1次発酵完了を見分ける

屈折計で発酵前後のBrix値(糖の含有量)を測定し、Brix値が下がっていることで判断する。
若しくはBrix値を比重に換算して判断する。



砂糖を加えてみて見分ける

1次発酵が終わったビールを少量100cc程度、メスシリンダーやカップに採って、砂糖をひとつまみ入れてみます。30秒以内に泡立つ場合は1次発酵が完了していません。



見た目で1次発酵完了を見分ける

酵母が発酵しているときは二酸化炭素が出るのと同時に泡が出てきます。
泡がほとんど出なくなれば、1次発酵完了の目安になります。



味で1次発酵完了を見分ける

発酵前の麦汁に砂糖を加えた状態だと砂糖水の味なのに対して、発酵後は砂糖の甘みがなくなります。


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ボトリング、炭酸を封じ込める二次発酵

ボトリング

詰め替えるビール瓶やホース等の器具を消毒し、ボトリングします。

ここで、砂糖をもう一度加えて栓をすることで瓶の中に二酸化炭素を充満させて、ビールの炭酸を作り出します。

砂糖の加え方は2種類あります。
・ボトリング前のビールに纏めて砂糖を加えて、混ぜた後ボトリングする方法
・ビール瓶に一本ずつ少量の砂糖を入れて瓶の中で砂糖を混ぜる方法

私は後者を選びました。

カーボネーションドロップ添加

3種類の砂糖

ビールの二次発酵専用の砂糖がカーボネーションドロップという名前で売られていますが物自体はただの砂糖の塊なので飴です。
普通に作っても面白くないので、2次発酵でも数種類の砂糖を試してみることにします。

右がボトリング専用のカーボネーションドロップ
真ん中がスーパーで買った砂糖の結晶
左がグラニュー糖

カーボネーションドロップは1個あたり約4gで330~350mlのビール瓶1本に付き1個入れます。
他の砂糖も同様に4g程度をビール瓶に入れました。

説明書には1L当たり8gの砂糖を入れるようにと書いてあったので少し多かったかもしれません。

ボトリング&打栓

サイフォーンでボトリング

サイフォーンを使ってボトリングしていきます。

発酵槽の底に残った白いカスがボトルに入らないようにサイフォーンを使う場合は注意してセットします。

二酸化炭素が充満するのでビール瓶の上から3cmくらいスペースを残しておく必要があります。満タンまで入れて栓をしてしまうとビール瓶が破裂するので要注意!

また、1次発酵が不十分もしくは2次発酵の砂糖の入れすぎでも二次発酵中にビール瓶が破裂します。


打栓器

打栓器で打栓していきます。

プラスチックの据え置きタイプでない打栓器は壊れやすいとの情報があったので、Kijijiで中古のこれを見つけて$10で買いました。レトロで気に入ってます。


栓をした後は暗い場所で数日置いて二次発酵させて炭酸が効いたビールが完成します。
説明書には27℃で保管して4日、21℃で6日と記載されていて、1次発酵同様に温度で発酵完了までの期間が変わります。

炭酸用のペットボトルでも数本作っておくことをお勧めします。炭酸が効いてボトルがカチカチに硬くなってから2~3日後が飲み頃です。





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自家製クラフトビール完成!

DIY自家製クラフトビール

仕込みから1次発酵まで17日、ボトリングして2次発酵を13日間、ビールが飲めるようになるまで合計30日かかりました。12月~1月の冬の季節だったので部屋の暖房は効いていますが室温が20℃~21℃くらいだったので発酵に時間がかかっています。
ビール瓶とペットボトル4本を使って合計60本のビールが完成しました。

飲んでみた感想は、味は不味くないけど美味しくもないといった感じ。少なからずこの味が私の好みじゃなかったです。
味は間違いなくビールだけど炭酸が強すぎる気がする。あと、泡がキメ細かくなく、コーラみたいにグラスに注いだあとすぐに消えてしまう。
恐らく2次発酵前にビール瓶に砂糖を入れすぎたかもしれません。

作り方が分かったので次は他の種類のモルト缶を使って、ホップを別途添加する等少しアレンジを加えて自分好みのビールを目指してリトライするつもりです。

追記↓


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量が多すぎる場合はモルト缶半分(ビール11.5L)作るのがおすすめ

この記事を書いて以降、何回かモルト缶を使ってビールを作っていますが、モルト缶1缶で23Lのビール、ビール瓶(300ml小瓶)で60本以上になります。
ビール瓶をたくさん集めるのも大変ですし、場所を取るので最近は半分ずつ作るようになりました。

過去の経験から改善した私のレシピをメモがてら書いておきます。

★1次発酵仕込み

1.水11.5Lを寸胴で沸かす。(水道水使用する場合)
2.砂糖 500gを沸かしたお湯に溶かす。
 ※砂糖はコーンシュガー(デキストロース)がおすすめ。グラニュー糖で作ると後味が良くなかったです。
3.モルト缶を温める
4.モルト缶を缶切りで空けて、中身の半分を瓶やタッパ等に入れて冷蔵庫で保管。
 ※半分は次回使用する。
5.残りのモルト缶半分の中身を2.に加える
6.火を止めて好みのホップペレット 0.5 oz (15 g程度)追加
 ※ホップを追加すると香りがよくなります。
7.寸胴を一晩置いて冷ます(21℃~27℃)
8. 7.を発酵容器に移して、モルト缶に付属のドライイースト半分を入れ発酵開始。

★2次発酵ボトリング

1.1次発酵完了したビールを発酵容器からサイフォーンで寸胴やペール缶に移す。
 ※発酵容器の底に酵母の固まりがあるので固まりは捨てます。
  酵母の固まりが混ざらないようにビールを移す。

2.砂糖90gを1.に追加して混ぜる。
 ※砂糖はコーンシュガーがおすすめ。
3.ボトリングして2次発酵

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