Arduinoを使った電子工作を時々しています。ユニバーサル基板に手作業でで半田付けして作ることもできますがいくつかモジュールを組み合わせたりする場合はプリント基板が作れると配線がごちゃごちゃせずに見た目もカッコよく便利です。
オキシドールとクエン酸を使ってエッチング液を作り、プリント基板を自宅で自作してみたので紹介します。
プリント基板の設計
基板の設計ソフトとしてAutodesk「Eagle」とオープンソースの「KiCad」が数あるソフトの中でも人気でKiCadは完全無料、Eagleは機能限定版(基板サイズ80㎠、両面基盤、2図面まで)が無料で使えますが趣味で使う範囲には十分です。
電気図面の作成、基板上の部品配置を設定してフットパターンを自動配列することができます。
今回私はEagleを使ってデザインしています。
難点としては両者共に日本語版が正式リリースされていないことですが、使い方を解説してくれているサイトも多いので調べながら使ってみました。
準備するもの
レーザープリンター
基盤のパターンを転写シートに印刷するのにレーザープリンターである必要があります。
モノクロで印刷できればカラーである必要はありません。
インクジェットしか持っていない場合はコンビニでお願いするか、感光基板のフィルムでインクジェット対応のものがあります。
今回はレーザープリンターを使って転写する方法で行いました。
アイロン
印刷した転写シートから基板へ転写するのに使います。
アクリルカッター
生基板のカットに使います。
ドリル
Arduinoのピン端子は0.9mmのドリルが丁度良かったです。
基板用のドリルセットは1個持っておくと便利。
生基板
作りたい基板サイズより大きい物を購入。
今回は片面タイプを使います。
転写シート
光沢紙やステッカーシートのステッカーを剥がした後の油紙等でも代用できますが、専用の転写シートが失敗が少なくできます。
フラックス
ハケ塗りできるフラックスがあると便利です。
スチールたわし
エッチング前の足付け、エッチング後に転写したパターンを剥がすのに使います。
エッチング液の材料
専用のエッチング液は使わず、以下の材料を混ぜて代用しました。
オキシドール
クエン酸 若しくは お酢
塩
生基板の下準備・フットパターン転写
デザインした基板のフットパターンを確認

一度、A4用紙に基板のフットパターンを印刷して印刷設定やサイズが間違っていないか確認しておきます。
一番最初に作った基板はこれを怠ったので、印刷設定を間違えていてArduinoの穴位置が合わず二度手間となってしまいました。
生基板をカットする

アクリルカッターで生基板をカットしました。小さい卓上マルノコがあれば早いのですが、持っていません。アクリルカッターの刃が結構すぐに切れなくなるので替刃の予備も用意しておいた方がいいです。

カットした生基板は錆や手油が付いているので、食器用洗剤とスチールたわしで洗って足付けを行いました。
フットパターンを転写シートで転写する

レーザープリンターで転写シートのフットパターンを印刷。
つるつるの面が表に印刷されるようにセットします。転写シートは薄くてつるつるしているので給紙するときにプリンター内部で詰まらないように注意。

転写シートをハサミでカットして、印刷した面と基板の銅箔の面がキレイに合わさるようにセロテープで固定しました。
熱を加えるので後でセロテープを剥がすのが大変ですが、これをしておいた方が失敗が少なかったです。

アイロンの温度は最大に設定して、転写シートの裏から熱を加えながらアイロンで2~3分擦ると基板にパターンが転写できます。
アイロン台の上に布切れを敷いて行いました。
キレイに転写できなかったところはマジックで手直し

キレイに転写できなかった部分はペンを使って手作業で手直しします。
専用のレジストペンと言うものもありますが、ちょっとお高いので普通にマッキーでも代用可能です。
この「マッキープロ特殊用途DX」が金属にも綺麗に書けて消えにくく、レジストペン代わりとしても使えるのでおすすめです。

消えかかっていたフットパターンをマッキーで書いて修正しました。
パターン転写した基板をエッチング
オキシドールとクエン酸、塩を混ぜてエッチング液を作る

オキシドール、クエン酸、塩を混ぜてエッチング液を作ります。
入れ物は樹脂製の小さいトレーみたいな物でも良いのですが、ちょうど良い物が無かったのでジップロックを使います。

ジップロックに塩とクエン酸を小さじ1ずつ入れました。
クエン酸の代わりにお酢でも代用できます。

オキシドールをクエン酸と塩が溶けきる量入れます。
正直、分量は適当で他の方のブログ等見ても分量は特に気にしなくても失敗したことが無いとのことです。
基板をエッチングする

自作エッチング液の入ったジップロックの中にフットパターンが転写された基板を入れてエッチングします。
袋のなかで、パターンが付いていない銅箔部分が溶けていきます。

透明だったエッチング液が、銅箔が溶けていくにつれて青色に変色してきました。
気泡が銅箔の上にあると上手く溶けてくれないので、ジップロックをもみもみしてあげながら1~2時間でエッチングが完了します。
基盤の洗浄・転写したパターンのインクを剥がす

エッチングが完了したら水道水で基板をすすぎ、スチールたわしで転写したパターンのインクを剥がします。
エッチングが完了した基板の穴あけ作業

小型のボール盤があれば良かったのですが、持っていなかったので電動ドライバーにドリルチャックを付けて、部品の足とリード線を通す穴を基板に空けていきます。

0.8mmのドリルだとArduinoの足が入らなかったので0.9mmが丁度良かったです。
基板の完成!

Arduinoを使って、ライトセイバーを作るのにこの基板を作ってみました。
ライトセイバーが完成したら記事にするつもりです。
以上、参考になりましたら幸いです。
コメント
エッチング完了後の廃液処理はどうすればいいですか。